オールオン4(オールオンフォー)とは?All On 4
総入れ歯の場合や残存歯が少数である場合に、片顎最小4本(症例により6本)のインプラント体に傾斜をつけて埋入し、かかる力を広く均等に配分することによって12歯を支えることを可能にした術式です。
手術日当日に抜歯、インプラント埋入、固定性の仮歯が入ることにより、その日からお食事もできるようになり、美しい歯、歯肉のラインなど審美性も回復します。
従来のインプラント手術では、失った歯の本数分のインプラントを埋入する必要があったため、手術時間も長く、術後の腫れも大きく、費用もかさみました。また長い期間をかけてようやく歯が入るため、歯がない期間が長く肉体的、精神的な負担が大きい状況でした。
しかしオールオン4(オールオンフォー)により、即日噛める歯(仮歯)が入ることにより、機能的回復、審美的回復により口元の自信をその日のうちに取り戻すだけでなく、手術や費用の負担を最小限に抑えることができるようになり、患者様にかかる負担を大幅に軽減することができるようになりました。
オールオン4(オールオンフォー)の適応
- 歯がまったくない人
- 歯周病や虫歯により噛める歯がない場合など残っている歯が機能していない人
- 残存歯が少数である人
- 総入れ歯が合わない人
- 顎の骨量が少ない人
オールオン4(オールオンフォー)の
治療の流れFlow
治療1回目
- 臨床審査(問診、口腔内審査、口腔内写真、顔貌写真、口腔内印象)
- エックス線審査(パノラマX線写真、CTスキャン)
- 治療計画
- 料金見積もり
- 手術内容の決定
- 歯科衛生士による口腔内清掃および指導
治療2回目
- 麻酔科医師による静脈内鎮静麻酔下にて口腔内麻酔
- 必要に応じて抜歯
- インプラント体埋入
- アバットメント装着
- 印象採得(口腔内の型取り)
- 咬合採得(かみ合わせを取る)
手術終了後
- X線審査(パノラマX線写真、CTスキャン)
- 専属技工士による仮歯の作製(数時間)※この間に患者様は休憩
- その日のうちに固定性仮歯を装着し、帰宅
治療3回目(術後2週間後)
- 抜糸、チェック
治療4回目 (術後3ヶ月〜6ヶ月頃)
- インプラントの型取り
治療5回目(型取り後2週間頃)
- 本歯装着(仮歯と比較し、高度、審美的に高い)
以後、半年に一度のメンテナンス
術後の注意事項についてNotes
①手術後に起こる腫れ、感覚異常、内出血斑、口角炎、発音障害などはほとんどの場合一過性です。腫れの場合2〜3日をピークにその後約1週間で消失します。決して患部を冷やさないでください。しこりになってしまう場合があります。皮下出血(青あざ)が見られる場合もあります。青紫色〜黄色に変化し2週間ほどで治癒します。
②手術当日はジョギングなどの激しい運動は避けてください。長時間の入浴も避け、シャワー程度にして下さい。サウナは一週間ほど避けてください。
③飲酒、喫煙は手術後一週間以上、避けてください。治癒遅延になる場合があります。
④唾液にまじって出血量が多くみられる場合がありますが、問題ありません。鮮血が見られる場合には、清潔なガーゼやティッシュをロール状にして患部をおさえてください。
⑤手術後4週間はインプラントに過度な力が加わるのを避けるため、軽い力で噛む回数を増やし、ゆっくりと食べてください。避けて頂く食品として、ガム、キャラメルなど粘着性のあるもの。パン、餅、弾力性のある肉など歯をすりあわせないと食べられないもの。氷、硬いせんべい、軟骨など硬い食品、生野菜 漬け物などがあります。
⑥最終的には本歯が入り、制限なく食事ができますが、仮歯は本歯と比較し、強度が弱いため極端に硬い物を噛むことは仮歯の破折の原因になります。なるべく硬いものは食べないように心がけてください。
治療後の清掃についてCleaning
ホームケアとして時期に応じて以下の方法が挙げられます。
手術後〜抜糸
- コンクールなどのマウスリンスによるうがい(ヨード系は使用しない)
- 術後用ブラシによる仮歯ブラッシング
抜糸後〜約45日まで
- 術後用ブラシによる仮歯と仮歯粘膜間のブラッシング
手術後45日以降
- 柔らかめの硬さのブラシと研磨剤が入っていない歯磨剤によるブラッシング
- スーパーフロスや歯間ブラシ、ウォーターピックなどを用いたプラークの除去