ザイゴマインプラントについてZygoma
無歯顎またはそれに準ずる患者様にはオールオン4スタンダード、オールオン4ザイゴマ、オールオン4ダブルザイゴマの3種類があります。
オールオン4スタンダードは通常のオールオン4のことであり、オールオン4ザイゴマは上顎遠心部または近心部のインプラント埋入において、上顎洞や骨欠損の状態によりインプラントが理想的な位置に埋入できない場合、頬骨(ザイゴマ)にZygoma Implant(ザイゴマインプラント)を埋入します。
また、オールオン4ダブルザイゴマとは、Zygoma Implant(ザイゴマインプラント)4本(各2本を一つの胸骨)を頬骨(ザイゴマ)に埋入するという、非常に高度な技術を要する治療法です。
ザイゴマインプラント治療の流れFlow
ザイゴマインプラント治療1、2回目
- 臨床審査(問診、口腔内審査、口腔内写真、顔貌写真、口腔内印象)
- エックス線審査(パノラマX線写真、CTスキャン)
- 治療計画
- 料金見積り
- 手術内容の決定
- 歯科衛生士による口腔内清掃および指導
ザイゴマインプラント治療3回目
- 麻酔科医師による静脈内鎮静麻酔下にて口腔内麻酔
- 必要に応じて抜歯
- インプラント体埋入
- アバットメント装着
- 印象採得(口腔内の型取り)
- 咬合採得(かみ合わせを取る)
- 手術終了
- X線審査(パノラマX線写真、CTスキャン)
専属技工士による仮歯の作製(数時間)
この間に患者様は休憩。
その日のうちに固定性仮歯を装着し帰宅。
4回目(術後2週間後)
- 抜糸、チェック
5、6、7回目(術後3ヶ月〜6ヶ月頃)
- インプラントの型取り
10回目以降(6ヶ月以降)
- 本歯の型取り、装着(仮歯と比較し、高度、審美的に高い)
以後、半年に一度のメンテナンス
ザイゴマインプラントの利点Advantage
上顎において、通常ならオールオン4が適応できないほど顎骨が萎縮しているケースに対しても、骨造成をせずに、骨質が良好でインプラントの強固な固定が得られる頬骨(ザイゴマ)にインプラントを埋入することにより、即日機能させることができます。
従来のインプラントは骨にインプラントを埋入してから、3ヶ月から半年待ってインプラント体と骨が結合してから補綴物(人工歯)の型取りをし、ようやく噛める状況でした。上顎において骨がない場合はインプラント自体ができない場合や、骨造成、サイナスリフトなどを行い半年程待って骨ができてからようやくインプラントを埋入し、さらに半年程待ってから補綴物(人工歯)が入るといったかなり長い期間を要するものでした。
ザイゴマインプラントにより、今まで噛むのを諦めていた方も、即日噛める歯が手に入るようになったのです。
ザイゴマインプラントの難易度Difficulty
Zygoma Implant(ザイゴマインプラント)は通常のインプラントよりかなり長い(30mm〜52.5mm)インプラント体です。
なるべく眼窩近くの骨量が多い部分に向かって埋入することが重要ですが、骨幅の薄い部分に埋入してしまうと、即時加重が不可能になり、眼窩に近すぎると眼窩内組織を損傷してしまうので、非常に高度な技術力を要します。
よって解剖学的に熟知し、かつ症例数の経験もある熟練した歯科医師でないと行えない特殊な治療法です。日本国内ではザイゴマインプラントを行える歯科医師は極々限られています。